土鍋を引っ張り出してきて、台所から窓の外を睨む。
朝から雨降りの日、梅雨時期のじめじめ続きの時には、何故か決まって小豆が食べたくなる。

特に湿気の強かった先日はつぶあんにした。焦げないようにしゃもじをただひたすらに動かして鍋の中を見ていると段々と水気がなくなっていく。どんな料理本にも少し水分がのこるかなという程度で火からおろしましょうと書いてあるのだが、どうしてもしっかりと火入れしてしまうため毎度仕上がりが固くなってしまう。体内の余分な水分が出ていくさまが可視化されているような心持ちになり、嬉しくてもっともっととぎりぎりを攻めてしまうのだろう。何事も程々が肝心。

他にも、とうもろこし、うこん(ターメリック)、緑豆春雨など、ふと食べたくなる時が定期的にやってくる。(ということは、日常にあまり選ばない食材なのか。)食べ物だけではない。ピアノの音。フットボールの試合。何か規則的なものによって導かれているのだろうか。まぁいいや、体に従うだけだ。