木箱の中で何かが不便そうに動いている。最初は何だかよくわからなかったんだけど、しばらく見ていると徐々に焦点が合ってきた。

あぁ、亀だ。

すぐに歩けるように手を貸してあげて、よしよしと一人満足していると今度は段々視界が広がり、他にも亀が数匹何をするでもなくただそこにいることに気づいた。

その後、場面が変わり。
葡萄の枝を絡ませて作った日陰棚の下で多国籍ないつもの仲間とお昼を食べている。その中に付き合うのが難しいちょっと苦手な人が、とっくに自国へ帰ったはずなのにそこにいて、人が変わったように微笑みを浮かべ道を説く姿に戸惑っていた。

新しいことに挑戦中の現在、このまま進んでっていいんだなと亀から印をもらった気がして目覚めがよかったのは確かだ。
ただ、彼が夢に現れたことが気になる。またここに戻って来たがっているとは聞いていた。亀には手を貸して俺のことは無視かと冗談交じりの本音が聞こえてきそうだ。