前に雑誌だったか、三枚におろしたあとの鯖の頭とあらを使って、そぼろと汁物を作ってるのを読んだことがあるが、心がけていても実践はなかなか難しいなと旅先から持ち帰った大量の柑橘を見ながら一つ指で手前に弾いてみる。‌‌珍しいものを見つけて興奮している頭には数日後の現実が想像できないのはいつものことだ。‌‌
よし!本の紹介をする男性の番組に周波数を合わせて準備に取り掛かろう。

まずはざぁっと洗って平ざるへ並べ表面の水分を乾かす。‌‌それから横半分に切って果汁を絞りざるで濾して種を分けておく。‌‌次は絞りかすから薄皮を取り除いた外皮を鍋でさっとお湯に通す。そして、細く刻む。‌‌六割ほどやって作業に飽きたので、切った分だけさっき残しておいた種と果汁、砂糖と鍋の中で合わせて弱火で煮る。‌‌あら、果汁多かったかね、でも冷めるととろっとしてくると何かに書いてあったので少し楽観的に熱いうちに煮沸瓶に分け入れる。‌‌この時点でどっと重いものを背中に感じたが、もう一息。お風呂場掃除の洗剤に、刻まず残した外皮は希釈したアルコールの中へ漬ける。

後日。‌‌結局水っぽいマーマレードは、てこ入れの必要があると判断。‌‌皮の部分はそのまま瓶で保存しジャムとして食べれるようにし、液体はたくさんの香辛料や砂糖といっしょに鍋で軽く火入れをした。前に作ったことのあるあれだ。炭酸で割って誰もが知っているあの琥珀色の飲みものみたいに変身。花椒も入ってるからぴりっとする。‌‌外皮を漬けたアルコールはうす黄色に染まって広口瓶を開けると柑橘のいい香り。‌‌ちょこっとだけよけておいた種は頃合いを見て植木鉢で育ててみよう。‌‌よしよし!

今年の冬は柚子胡椒とポン酢の組み合わせで仕込もうかな。種が多かったら化粧水も。おっと、また欲張ってたくさん買い込まないようにしないと。