黒い服が似合う町で、黒い服をしょっちゅう着て、長く暮らしていたことがある。青が好きな友達から再三黒は止めろと云われていたが、その時は何とも思っていなかった。それから引っ越しをに、白を着ることがものすごく多くなった。それは、好みの変化なのか、環境によるものなのかは、自分でもよくわからない。
そういえば、この二色の無彩色ってどっちが暖色なんだろう。

白と黒の間を薄いかな濃いかなと行ったり来たりする毎日だ。白が恋しくなったとしても、黒と決めたからと自ら視野を狭めてしまうのはもったいないからね。かと云って、いつまでも核心をつかないのとは、話が少し違う。
言葉の色の可視化
相手に余白を与えたい時や丁寧に何か尋ねたい時などは、言葉尻を意図的にぼやかしているから言葉の色は薄くなるだろうし、疲れていて何も考えずに口に出した言葉は、炭のように見えるかもな。そんなのが天に吐いた唾のように自分の顔にかかったら、顔をしかめるなんてもんじゃない。

友達だと思っていた人がぶっきらぼうに放った「大丈夫か?」が思いがけず濃い赤だったとき、自分は何色の言葉を返すのかな。